アイスランド語はインド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派北ゲルマン語群に属する言語。使用範囲はアイスランドのみで、使用人口は約30万人。
9世紀にノルウェーから移住したヴァイキングがもたらしたものであり、他の北ゲルマン語(デンマーク語・ノルウェー語・スウェーデン語)の中ではノルウェー語と一番近い。
他の北ゲルマン語が失った3性(他の北ゲルマン語は両性名詞と中性名詞だけ)や格変化などを保持し、また格変化などの必要性により、英語やフランス語などからの借用語を極力排しているため、古風な色合いを強く残している。
名詞
アイスランド語の名詞は男性・女性・中性の3種の性を持ち、主格・対格・与格・属格の4種の格変化をともなう。格変化には強変化・弱変化の2種がある。また、冠詞は存在しないが不特定のものや一般的なものを示す不定形と話し手と聞き手の両者に了解されているものを示す定形という2種の区別があり、変化語尾により表される。
弱変化規則名詞の格変化
男性名詞banki(銀行)、女性名詞vika(週)、中性名詞auga(目)の格変化。 弱変化名詞は単数不定形の対格・与格・属格が同形且つ末尾が母音。
英語/イングランド語(えいご/イングランドご、English)は、インド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に属し、イギリスイングランド地方を発祥とする言語。世界で最も話されている言語である。
「英語」という日本語名
英語の「英」とは、English という単語のポルトガル語訳 ingles の漢訳「英吉利」の略である(イギリスのイングランド地方をさす言葉と考えられる)。「英吉利」については他に Inglaterra の漢訳とする説もある。「英語」という語は「イングランド語」の略だが、日本語や朝鮮語でこの言語を指し示す場合、フランス語やドイツ語など他のヨーロッパ発祥の言語と違ってこの略称が一般的に通用している。
現況
現在、イギリス全体としての国家語は英語であるが、イギリスに含まれるウェールズやスコットランド、北アイルランドでは英語以外の言語話者もいる。またイングランドでも、移民コミュニティなどではそれぞれの母語が使われている。
20世紀中盤まで、イギリスが多くの植民地を抱えていたことが、英語話者数の増加の要因となった(大英帝国を参照のこと)。イギリスの採った植民地政策は間接統治であった。つまり、エリート層をイギリス本国で教育を受けさせ、それぞれの植民地へ送り返した。上層階級であるエリート層はみな英語で教育を受けたため、植民地行政では英語が支配的となり、独立後もこの状態が続く。かくして、旧イギリス領(現在その多くはイギリス連邦に加盟している)では英語が公的に(政治・経済・教育で)使われるようになり、イギリスとこれらの地域の共通語になった。
第二次世界大戦後、イギリスは徐々に国際政治での影響力を弱めていくが、かつて英国が植民地を建設した土地であり、また同じ英語を使用する国でもあるアメリカ合衆国が強い影響力を持つようになり、結果として英語が有用な外国語として世界に広く普及することになった。
発音
詳細は英語学#音声・音韻学を参照
英語の発音と綴りの間の関係は、他のヨーロッパの言語と比べると一貫性に乏しい。これは主に中英語時代である15世紀初頭に始まり、近代英語初期である17世紀初頭に終わった大母音推移という現象にも関わらず、印刷技術が普及していたために綴りが固定化して基本的に変更が加えられなかったことに起因する。それ以前はnameはナーメと、timeはティーメと綴り通り発音されていた(というよりも発音どおりに綴られていた)が、ネイムやタイムという発音に変化したにも関わらず、neimやtaimなどと綴りが変更されることはなかったため、現在まで英語学習者を悩ませている綴りと発音の不一致が起きている。以下に発音規則を示すが、例外も多い。このことは、英語が他のヨーロッパ系言語から単語を借用する際に、多量の単語を元のつづりとあまり変えずに借用したことに起因する。
母音
a:
強勢があるときには/a/。ただ、その後に子音+eとなる場合は/e?/と二重母音化する。
例:fat /fat/, make /me?k/
強勢がない場合は曖昧母音。
文法
この項では英語教育・英語学習者に適する「伝統文法」(規範的)の枠組みを示す。これとはまったく別の記述的英文法は生成文法および英語学を参照されたい。
言語類型論から見て、英語は以下の特徴がある。
インド・ヨーロッパ語族の特徴である名詞の性や格がほぼ消滅しており、格変化は代名詞に残るのみである。このため語順がSVOで固定している。
インド・ヨーロッパ語族の中では、動詞の変化が単純化している。しかし不規則動詞の数は比較的多い。規則動詞の変化形は過去形・過去分詞の -ed、現在分詞・動名詞の -ing、三人称単数現在形の -(e)s のみである。不規則動詞(古英語における強変化動詞の一部)では現在形、過去形、過去分詞で語幹変化が見られる。
複雑な時間表現がある。下記の時制の章を参照。
否定文、疑問文で無内容の助動詞 do を用いる。これは英語にしか見られない特徴である。
主語の働きが強く、形式主語や無生物を主語にする文などが発達している。
二人称では単複および親疎の区別をせず、you のみを使う。
代名詞
人称代名詞については、英語の人称代名詞を参照すること。
名詞
可算名詞の複数変化
名詞の格、性による変化は消失したが、可算名詞(countable noun)は、
不動産
を表す語尾として -s を付する(例: books「本」)。語が無声音で終わっていれば発音は [s]、有声音なら [z] となる。もともと語尾が"s"になっている語では、-es と付する(例: gases 「(数種の)気体」)。また、"f" /f/ で終わる語の中にも複数語尾が"-es"となる語があり、その場合 /f/ は有声化し [v] となる(例: leaves 「葉」)。
なお、古英語時代の強変化名詞の中には、複数変化に伴う語幹の音変化を現代英語でも保っている物がある(例: mouse > mice 「ネズミ」)。また、単複同型のもの(例: fish 「魚」、Japanese 「日本人」)、弱変化名詞の変化を未だ保っているもの(例: ox > oxen 「オスの去勢牛」)、woman → women といった不規則変化など、例外も多くある。
名詞の所有表現
ある名詞が何らかを所有していることを表し、直後に置かれる他の名詞を形容詞的に修飾する場合、単数の場合は語尾に -'s、複数の場合は -'(アポストロフィのみ)を付する(例: the servant's king 「使用人のキング」/ the servants' king 「使用人たちのキング」)。もしも文字が「s」をなら最後、アポストロフィーはしか取り付けます(なしで「s」)。中英語期まで、所有を表すには属格(genitive)を用いていたが、現代では弱変化名詞属格の活用語尾の名残としてこのような形になって一般化した。
また、前置詞 of を用いて所有関係を表すこともある(例: the crown of the king 「王の王冠」)。
もっと多くの例:
動詞
一般動詞 (ordinary verb) は、法 (mood)、数 (number)、人称 (person) による活用をほぼ消失しており、三人称単数現在形で"-(e)s"が付されるだけである。時制(tense)による変化は不規則変化動詞においては現在形、過去形、過去分詞形でそれぞれ変化するが(例: rise/rose/risen 「昇る」)、規則変化動詞では過去形、過去分詞形に -ed 語尾が付されるのみとなる(例: walk/walked/walked 「歩く」)。また、動名詞 (gerund)・現在分詞 (present participle) においては全ての動詞において原形 (bare form) に -ing 語尾を付すれば良い。
ドイツ語 (-en) やフランス語 (-er, -ir) と違い、不定形 (inifinitive) に一見して動詞とわかる綴りの形はない。したがってある単語の原形が与えられたとき、動詞かどうか判断する方法はない。このため語形を変えずに品詞の転換が容易である。例: smoke は名詞では「煙」「タバコの一服」だが、そのまま動詞として「煙を出す」「タバコを吸う」とも使える。
法
英語の法は直説法、
FX
法、命令法、条件法が存在する。
直説法 (indicative)
一般動詞においては過去形、過去分詞形、現在分詞形、動名詞、三人称単数現在形以外では目に見える形で活用せず、実質原形を用いる。
仮定法 (subjunctive)
中英語期以前までは、現在・過去のいずれの時制でも現れ、それぞれ固有の語形変化をもっていたが、現代では仮定法自体やや特殊な用法となっている。 if などを用いた条件節 (conditional clause) 内においては一般動詞を過去形に、be 動詞の場合は were にすることによって法を表現し(現在の口語では主語が you 以外の単数の場合 was が用いられることもある)、条件節以外では助動詞の過去形(例: would, could, might, should)を用いることによって表現する。仮定法本来の動詞変化が消失したためにこのような形で表現するのであるが、そのせいで動詞の語形変化で表される時制と、仮定法によって叙述される時制にズレが生じる。
例: If I were a bird, I could fly into the sky. 「もし私が鳥ならば、空に向かって飛んでいけるのだが。」
これを「仮定法過去」といい、叙述されているのは現在の状態・動作である。
FX
法によって過去の状態・動作を叙述するには、次のような構造を用いる。
例: If I had been a bird, I could have flown into the sky. 「もし私が鳥だったならば、空に向かって飛んでいけたのだが。」
条件節内を「助動詞 have の過去形 had + 過去分詞」とし、主節 (main clause) 内を「助動詞過去形 + 助動詞 have + 過去分詞」とする。これを「仮定法過去完了」という。
なお、主節の動詞が話者の意思を表す動詞 (intentional verb) の場合、従属節 (subordinate clause) 内の動詞が人称・時制にかかわらず原形になる場合があり、これを「仮定法現在」という。叙述されている時制は主節内の動詞の時制となる。これはアメリカ英語に多く見られる用法であり、イギリス英語では従属節内の動詞の前に should をおく。
例: He insisted that she be innocent.「彼は、彼女が無罪であると主張した。」(アメリカ英語)
例: He insisted that she should be innocent.「彼は、彼女が無罪であると主張した。」(イギリス英語)
このような動詞には、insist の他にも recommend, suggest などがある。
仮定法の条件節において if を使わず、助動詞を倒置させることがしばしばある。
例: Had I had the money, I could have made my fortune. 「あの金さえあればひとやま築けたのに。」
命令法 (imperative)
動詞を原形で文 (sentence) の最初に置くことによって表現する。命令法以外では文頭に動詞の原形が置かれることはほとんど無い。
例: Be quiet. 「
先物取引
にしなさい。」 Go to school. 「学校に行け。」 Open the window. 「窓を開けなさい。」
時制
英語の基本的な時制は、非過去 (nonpast) と過去 (past) の二つである。これはゲルマン語系言語に共通する特徴である。過去形は不規則変化動詞においては語幹変化で、規則変化動詞においては -ed 語尾を付して表現する。本来、英語には未来時制がないので、未来のことを表現するときは法の助動詞 will, shall を用いて表現したり、be going to という慣用表現を用いたりする。直近の予定は現在進行形で表現することもある。
英語の時制、法、相、態は以下のように結びつく。
「
FX
」によって表される。助動詞 have を過去形 had にすることにより、完了相の時制を表現することが可能である。
現在完了の例: She has gone to India.「彼女はインドへ行ってしまった。」
過去完了の例: He said that she had gone to India.「彼は、彼女がインドに行ってしまったのだと言った。」
過去完了を用いることにより、間接話法中において、時制の差異を表現することができる。これを「大過去」ともいう。
現在完了と過去時制との違いは、後者が過去における事実を叙述するに過ぎないのに対し、前者は過去の行為が現在に及ぼす影響を含んでいること。したがって現在完了は経験や継続を表すのに使われる。